政令指定都市/地方公務員(土木職)の思慮

現在26歳。若手公僕が仕事・社会の雑感を綴る。

政令指定都市/地方公務員の「具体的な」仕事~その1(はじめに)~

今回は、若手公僕が政令指定都市の公務員として奉職したことで知った「具体的な」仕事内容について書こうと思う。なお、政令指定都市の仕事について述べるので、都道府県や政令指定都市以外の市町村とは差異があることに留意されたい。

仕事を知る3つの重要性

地方公務員の土木職の受験生にとって、入庁後どのような仕事を行うかを知る事は非常に重要ではないだろうか。

面接試験では必ず「入庁後どのような職務を担当したいか?」と聞かれる

もし具体的なことを回答することが出来れば、将来を見据えており、先見性に富んだ受験生と評価されるので、合格待ったなし。

②試験合格後の配属希望面接において、自分の希望する部署をハッキリと言う

土木職のフィールドは多種多様だ。しかし、縦割りの考えは根強く、最初に配属されたフィールドに骨を埋めることとなることが殆ど。もしミスマッチが起きると、辛い思いをするのはあなた自身。それを避けるためにも、興味あるフィールドに飛び込む努力をすべき。また、興味あるフィールドにいることが、仕事のやりがいや自己研さんのためのインセンティブにつながること間違いなし。

③仕事内容に憧れを抱いたならば、勉強のモチベーションアップにつながる

ただ大切な事は、受験勉強の目的は「地方公務員として"何らかの事を"行うため」であり、試験合格はあくまでそのプロセスであるという事。そのような意識は、勉強への意欲や面接での態度の良し悪しに如実に現れると思う。

 

国家公務員と地方公務員の役割分担

まず初めに、国会公務員と地方公務員の仕事の違いを押さえる。

 

地方公務員の仕事は、概括的に言うと、この3つだと思う。

  1. 市のマスタープラン制定
  2. 市が管理するインフラの管理
  3. 市民との折衝
1.市の都市計画を制定

市は、秩序を保ちながら都市を発展させていくため、都市計画(マスタープラン)を決める必要がある。地域の重要導線となる都市計画道路や市街化区域、市街化調整区域等を設定する。

2.市が管理するインフラの管理

市内の市道、準用河川上下水道、漁港、港湾等の新設や維持管理を行う。なお、まだまだ未整備区間は残っているので、新設することも多いが、これからの時代は、既設の施設を適切に維持管理し、長寿命化を目指すことに重きが置かれることは間違いなし。

3.市民との折衝

これが地方公務員としてのやりがいにつながる部分だと思う。市が管理する施設は、住民の生活に直結することが多い。(例えば、市道は住民の生活道路として利用されることが多い。)そのために、施設の新設や維持管理を行うの際、住民から様々な要求がなされる。当然、すべての要求に応えることはできないので、様々なことを勘案して落とし所を調整する。調整は非常に難しいが、事業が完了し、喜んでくれる住民の方を見ると、全てが報われる。

 

対して、国家公務員の仕事は、概括的に言うと、この3つだと思う。(若手公僕は国家公務員じゃないので、戯言程度と思ってくだぱい。)

  1. 政府として国全体のマネジメント
  2. 技術力確保、技術力の国際展開
  3. 国が保有するインフラの管理
1.政府として国全体のマネジメント

 国は、日本を統治する機関(政府)として、国全体の将来のあり姿を俯瞰し、社会資本の整備指針等を計画する。また、計画したものを自治体レベルまで浸透させていくため、各種法令や指針等を制定し、国の隅々に亘るまで展開していかねばならない。

2.技術力確保、技術力の国際展開

政府は日本の土木技術水準を維持し、さらに発展させていく責務がある。そのために多くの研究者を養成し、海外との技術交流を行っている。また、国が管理する施設から自治体が管理する施設まで、画一的な技術水準で整備するため、各種基準(例えば、道路構造令、道路橋示方書、河川管理施設等構造令等)を作成する。また、国際協力の一環として、日本の土木技術力を海外へ展開し、諸外国の土木技術水準の向上に寄与している。

 3.直轄施設の管理

国道や1級河川等の内、国が直轄で管理すべき重要区間(施設の社会的影響が大きい箇所)の維持管理を行う。その他の区間都道府県や政令指定都市に管理委託している。

 

比べてみると、国家公務員のほうが立派な事をしているように思える。(当然っちゃ当然だが)ただ、地方公務員のいい所は、仕事の対象者(市民)が明確であること。これに尽きると思う。どう思うかは自分次第。

 

少し長くなってしまったので、「実際どんな仕事をするのか」については、次回書くことにする。では。